ドンクについて

ドンクは今年で創業116周年。
日本のパンの歴史とともに歩み続ける老舗ベーカリーです。

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私たちのこだわり

ドンクの確かなおいしさは職人魂から

File.No2 菊谷尚宏
1962年愛知県生まれ。サラリーマン、運送業を経て1989年、ドンクに入社。名古屋地区のインストアベーカリー店を経験し、現在は全店の技術指導にあたっている。2000年に第9回カリフォルニア・レーズンコンテスト審査員特別賞を受賞。2002年4月フランス・パリで開かれた「クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリー」 に日本代表として出場し、日本チームを優勝に導く。

生地と対話しながら、よいパンを作り上げていく。
子育てに似ていますね

菊谷がパン作りの世界に飛び込んだのは27歳の時。パン職人のなかでは少し遅めのスタートでした。サラリーマンを経て、当時していた仕事は運送トラックの運転手。ある時、積載オーバーで180日間の免停になり、働けなくなってしまい、「将来を考えるとこのままでは不安。ずっと続けられるような仕事がしたい。手に職をつけよう」と転職を決意。ほどなく、新聞でたまたま見つけたドンクのパン製造の求人を見て応募。「トラックの運転手の時、製粉メーカーの粉を運んだことがあり、パン屋に出入りした時の焼きたてパンの香りが好きでした。一度もパン作りをしたことはなく、自信はありませんでしたが、今の自分を変えるにはとにかく飛び込むしかないと思って・・・」

しかし、実際に働き始めてみると、早起きをしなければならない上、粉は重く、長時間立ちっぱなし・・・。最初はすぐに辞めようと思ったとか。しかし、先輩の励ましもあり、続けていくうちに、菊谷は徐々にパン作りに魅せられていきます。「パン作りは単調な仕事ではなく、日々細かな調整が必要となります。大変ですが、その分やりがいと面白みを感じます。自分で仕込んだパンがうまく焼き上がり、お客さんが買って行く姿を見るのが一番うれしいです」その気持ちを忘れないからこそ、菊谷のパン作りに対する真摯な姿勢はいつでも崩れません。

「パン作りで一番大切なのは、レシピではない部分。パンは生き物です。レシピ通りに作ったからといってよいパンができるわけではなく、その日の気温、湿度、生地の状態によって焼き上がりも違ってきます。毎日同じ品質のパンを焼こうとすると、自分の感性を養い、パンの生地感を身につけるしかありません。粉から生地を捏ね、成形して焼き上げる。生地と対話しながら、よいパンを作り上げていく。子育てに似ていますね」

そんな菊谷にとって、遠い存在でもあり、憧れでもあったのがパンのワールドカップ「クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリー」。10年以上の経験で身につけた自分の力量を試したい、レベルが知りたい、と2002年の大会に向け、社内選考に応募しました。その前年にカリフォルニア・レーズン協会のベーカリーコンテストで賞をもらっていた実績もあり、社内選考、国内予選を無事通過し、日本代表に選ばれます。そこからは約1年、パリでの大会に向けトレーニングの連続です。つらいトレーニングに打ち込む事が出来たのも、同じチームの仲間と、応援してくれる先輩たち、そして共に働く同僚たちの協力があったからこそ。

大会5日前、パリに着いてからも観光するどころか休む暇もなくトレーニングや綿密な打ち合わせを続けた日本選手団。3人とも体重が激減するほどハードな日々でした。

この大会では、小麦粉をはじめとする材料やオーブンなどの製パン機器がフランスのスポンサーから支給されるため、慣れない材料、機械を上手に使いこなさなければなりません。特に菊谷が担当するバゲットとパン・スペシオは粉の影響が最も強く出てしまいます。しかし、そのプレッシャーにも負けず、トウモロコシを詳細にかたどったコーンパンや玄米を使ったパンなど、独創的な作品を作り上げ、結果はパンが主食のヨーロッパの国々を押さえ、日本がみごとに初優勝。日本の製パン技術の高さと確かさが世界で証明された瞬間でもありました。

しかし、菊谷は「もっともっと良いパンが作れるはず」、と語ります。「最近は技術指導として全国を回る事も多いのですが、自分も職人として更にレベルアップしていきたいです」。世界に認められてもなお、向上心を忘れないアルチザン魂で、パンを作り続けています。